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M.&KYOKO 新規店オープン

あっという間に10月も半ばを過ぎ、ここ山形はずいぶん前から既に肌寒く我が佐藤繊維の工場の周囲も紅葉に彩られている。ブログには書きそびれてしまったが、7月はものづくり日本大賞を拝受するという、大変有り難い出来事もあった。
その後NYのスピン・エクスポから戻り、8月は新規店オープンの準備に追われた。


まず、パリで買い集めた古材が、巨大なコンテナーで到着した。ショップオープンを夢見ながら1年半収集し続けた宝の山である。
床材、扉、家具、鉄の柱など、一見はガラクタの山だ。
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"このゴミは一体!?" と言わんばかりのスタッフ。






私も妻もアンティーク材には思い入れがある。長い年月にしか出すことのできない深みのある風合いや、どこかに残る暖かみを好む。
それらを、新しいものとの組み合わせ、空間の中に用いる。古いのか新しいのか解らない=時代を感じさせない、デヴィット・リンチの世界のような、現在と過去が交錯する不思議な世界観を二人で共有し、M.&KYOKOの世界観にもどこか通じるものがあるのではないかと思う。

さて、今回初の百貨店のインショップでは、10坪強という小さなスペースの中にこれらをどう表現するか、試行錯誤した。
また、百貨店には安全性などを配慮することからくる規制が多いというのも、非常に勉強になった。
アンティークの床材を一部使用し、同じく扉を入れようとしたが、規制に会わずに加工しなければならなかったりと、大変残念な場面もあった。
鏡の使い方と照明というのが、最初のショップ、ノートルエスカリエから一つのテーマであるが、今回も扉の後ろに鏡を入れたり、照明による光と陰づくりに力を入れた。


私にとってはかなりハードルの高かった百貨店の制約さえなければ、という思いはまだ拭いきれずにいるが、
悩み抜いて出来上がったショップは中央に大きなアンティークテーブルも入り、満足のいくものに仕上がった。
ここを第二の起点に、更に勉強していきたい。

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