【Making Things】
糸から製品まで一貫体制のニットメーカーだから語れる、物作りの背景とおすすめアイテム。
専門知識を深掘りした充実のコラムです。
今回のテーマは「コード刺繍」
元来よりデザインと製造は相反するものである。
デザインとは、新たな理想を追い求める仕事であり、まだ見ぬ感触、風合い、表情を創造する営みである。
一方で製造は現実と向き合う仕事。
一方で製造は現実と向き合う仕事。
機械の限界、素材それぞれが持つ癖、コスト、納期、再現性といった条件の中で成立させなければならない。
デザイナーの創造を形にするためには、必ずどこかで折り合いをつけなければならないために、デザインと製造は衝突する。
しかし同時に、その緊張関係こそが新しいものを生む。ただし佐藤繊維ブランドにおいて、大人気商品である刺繍の入った製品は、冒頭で述べた構図とは少し異なる。
刺繍が施される商品は多種多様。メイキングシングスVol.2 で紹介したインターシャジャカードという編みの技術で描いた柄に、立体感のある絵を添える場合もあれば、シンプルで上質な布帛生地に彩りを加える役割を果たすこともある。
しかし同時に、その緊張関係こそが新しいものを生む。ただし佐藤繊維ブランドにおいて、大人気商品である刺繍の入った製品は、冒頭で述べた構図とは少し異なる。
刺繍が施される商品は多種多様。メイキングシングスVol.2 で紹介したインターシャジャカードという編みの技術で描いた柄に、立体感のある絵を添える場合もあれば、シンプルで上質な布帛生地に彩りを加える役割を果たすこともある。
SUMMERコレクション「ボックスと花カーディガン」BFN01210-53 一般的に「刺繍」と言えば、人名や企業名などのロゴが入ったもの、あるいは花などのイラストが描かれたものをイメージするのではないだろうか。
佐藤繊維で用いられる技術は「コード刺繍」と「平刺繍」を組み合わせたもの。
コード刺繍とは、上記で述べたような一般的な刺繍方法である平刺繍とは異なり、コード(佐藤繊維では様々なファンシーヤーンを指す)をミシンの糸で縫い付ける技法である。
コード刺繍とは、上記で述べたような一般的な刺繍方法である平刺繍とは異なり、コード(佐藤繊維では様々なファンシーヤーンを指す)をミシンの糸で縫い付ける技法である。
ミシンには上糸と下糸が存在し、その上糸でコードを固定する、またはコードと生地を一緒に縫い付けるのが、コード刺繍と考えてもらうとイメージしやすいだろう。
その「コード」に使われる糸が多様であることも特徴のひとつ。佐藤繊維は創業時より糸を紡ぎ続けており、今日に至るまで数えきれないほどの糸が開発されてきた。
現在販売されているものだけでも、およそ二百種類にのぼる。これらに加えて国内外から取り寄せた意匠性の高いファンシーヤーンを組み合わせると表現の幅は無限大。
その代表作となるのがオールコード刺繍ベスト。
その「コード」に使われる糸が多様であることも特徴のひとつ。佐藤繊維は創業時より糸を紡ぎ続けており、今日に至るまで数えきれないほどの糸が開発されてきた。
現在販売されているものだけでも、およそ二百種類にのぼる。これらに加えて国内外から取り寄せた意匠性の高いファンシーヤーンを組み合わせると表現の幅は無限大。
その代表作となるのがオールコード刺繍ベスト。
刺繍だけで身頃を作り上げるこのアイテムでは、通常必要となる「布」を用いない。水溶性ビニロンという特殊なシートに何度もコード刺繍を施し、最後に洗いをかけることでシートを溶かし、刺繍部分だけを残す。
刺繍は一筆書きの要領で少しずつ形を作り、同じ場所を行き来しながら糸を切り替え、六回、七回と同じ道を辿りながら完成へと近づいていく。
刺繍は一筆書きの要領で少しずつ形を作り、同じ場所を行き来しながら糸を切り替え、六回、七回と同じ道を辿りながら完成へと近づいていく。

そしてこれらの製造現場では、ファッションが大好きな二十代の若い世代がデザインを描き、機械を回す。
ここが他社と大きく異なる点である。
現場にいるこの若いスタッフが刺繍デザイナーでもあり、同時に機械を操るオペレーターでもあるのだ。
一般的には、ファッションデザイナーがデザインを描き、糸を選び、色を決める。
一般的には、ファッションデザイナーがデザインを描き、糸を選び、色を決める。
そのデザインが工場へ届き、オペレーターがそれを形にする。しかしその場合、デザイナーは機械の特性を十分に理解していないことも多く、無理のある指示が届き、結果的にうまくいかないケースも。 一方で工場のオペレーターはファッションの教育を受けずに工場へ入ることも多く自発的にデザインをする経験がないため受動的なものづくりになりがちである。

佐藤繊維では、デザイナー志望の学生が入社し、その後機械の特性を学びながら知識と経験を積み重ね、ディレクターとチーフデザイナーによってシーズンごとのイメージ、方向性が定まると、ここからが刺繍デザイナー達の出番である さて、刺繍デザイナー兼オペレーターとして必要な資質とは。
・糸に関する幅広い知識
・機械の構造を理解するメカニック的要素
・絵を描く力と配色のセンス
・糸に関する幅広い知識
・機械の構造を理解するメカニック的要素
・絵を描く力と配色のセンス
そして何より「より良いものを作りたい」という情熱。
イメージ通りの糸を追い求めるために広大な糸倉庫の中から一本の糸を探し出すこともあれば、手持ちの糸をリリヤン機(筒状に糸を編む機械)にかけ、オリジナルの糸を生み出すこともある。このクリエイティビティを持った、若い世代の職人ともアーティストとも言い切れないハイブリッドな存在こそが、佐藤繊維ブランドにおける大きな魅力であり、大人気商品を生み出す原動力なのである。
イメージ通りの糸を追い求めるために広大な糸倉庫の中から一本の糸を探し出すこともあれば、手持ちの糸をリリヤン機(筒状に糸を編む機械)にかけ、オリジナルの糸を生み出すこともある。このクリエイティビティを持った、若い世代の職人ともアーティストとも言い切れないハイブリッドな存在こそが、佐藤繊維ブランドにおける大きな魅力であり、大人気商品を生み出す原動力なのである。
今日、日本の繊維産業は高齢化が進み、老巧職人による素晴らしい製品は数多く存在するものの、技術の継承や若い世代のアイデアが十分に世へ出ているとは言い難い。
そんな流れに一石を投じるものづくりが、ここにある。
「デザインと製造」本来は衝突するはずの二つの領域が、この刺繍には存在しない。
目には見えないこのストーリーも踏まえて、お気に入りの一枚をぜひ店頭で見つけてみてほしい。
そんな流れに一石を投じるものづくりが、ここにある。
「デザインと製造」本来は衝突するはずの二つの領域が、この刺繍には存在しない。
目には見えないこのストーリーも踏まえて、お気に入りの一枚をぜひ店頭で見つけてみてほしい。
